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Accu:Cellのよもやま話~第12回~

皆さんこんにちは!
Accu:Cell、更新担当の中西です。

 

ジェンダーフリーについてです。

エステという言葉には、長らく“女性専用”というイメージが根づいていました。実際、数十年前まではエステサロンの多くが「女性専用」と銘打ち、サービスや空間づくりも女性を想定して設計されていたのです。

しかし現代においては、性別に関係なく美容やリラクゼーションを求める人が増加し、社会全体の価値観も多様化。こうした流れの中で、エステ業界にも“ジェンダーフリー対応”が求められるようになっています


1. なぜ今、エステ業にジェンダーフリーが求められるのか?

ジェンダーの固定概念にとらわれない生き方が尊重される現代において、「美容は女性のもの」「ヒゲ脱毛は男性だけ」などといった従来の枠組みは、もはや通用しなくなりつつあります。

背景にある社会の変化:

  • LGBTQ+への理解と法的支援の拡大

  • 男性の美容・スキンケア需要の急増(メンズ美容市場の拡大)

  • 女性だけでなく誰もが“美と癒し”を求める時代への移行

  • 「性別による空間・サービスの分断」への違和感の高まり

つまり、誰もが自分らしくいられる空間を、エステ業界がいかに提供できるかが問われているのです。


2. ジェンダーフリー対応とは何か?その本質

単に「男性もOK」「LGBTQ対応」と謳うだけでは不十分です。本質的なジェンダーフリー対応とは、“すべての人にとっての安心と尊重”を提供することにあります。

対応の基本となる考え方:

  • 見た目や声ではなく、“本人の自己申告”を尊重する姿勢

  • 性別を前提としたメニューやカウンセリング表記の見直し

  • 「男性・女性」で区切らず「お客様ひとりひとり」への最適化

  • プライバシーの徹底配慮と、安全・安心の空間設計

このように、“誰でも安心して通えること”が前提のエステであることが、真のジェンダーフリー対応です。


3. 実践事例:現場でのジェンダーフリー対応の工夫

実際のサロンでは、次のような取り組みが広がっています。

1)ユニセックス対応メニューの充実

  • ヒゲ脱毛、ボディケア、ヘッドスパなどを「性別不問」で提供

  • 「メンズ/レディース」ではなく、「肌質/悩み別」などで分類

  • 脱毛やフェイシャルなど、ニーズ別に選べるような構成にする

2)空間とサービスの中立化

  • 待合室や施術室を完全個室化して、性別の視線を排除

  • トイレや着替えスペースをジェンダーニュートラルに設計

  • カウンセリング票の「性別欄」に「その他/未回答」などの選択肢を設ける

3)スタッフ教育の強化

  • ジェンダーに関する基礎知識と配慮を共有する研修の導入

  • “間違ってはいけない”ではなく、“聞く・尊重する”姿勢の徹底

  • お客様の属性を前提にしない言葉選び(例:「奥様」「旦那様」を使わない)

こうした細かな配慮の積み重ねが、“誰でも行きやすいサロン”としての信頼に繋がっていきます


4. ジェンダーフリー対応が生む新たな可能性

対応を進めることで、サロンには以下のような新しい価値と機会が生まれます。

  • 幅広い顧客層の獲得:ジェンダーを問わず利用者が増加

  • 差別化とブランディング:社会的責任を果たす企業姿勢が評価される

  • スタッフの多様性と働きやすさ:価値観を共有できる人材の採用・定着

  • 紹介やSNSでの話題化:安心できる空間として自然な口コミが広がる

ジェンダーフリー対応は、単なる“配慮”ではなく、新しいビジネス価値そのものを創出する要素なのです。


5. エステ業が果たす“心の居場所”としての役割

美容やリラクゼーションの本質は、「自分を大切にする時間」や「自分に還る空間」を持つことです。

  • 性別に関係なく、肌の悩みや疲れを抱える人

  • 美しくありたいと願う人

  • 癒されたい、自己肯定感を取り戻したいと願う人

そうしたすべての人が、安心して自分の“美と健康”を委ねられる場所であるために、エステサロンは“心の居場所”であるべきだといえます。


これからのエステは「すべての人の美と癒し」を届ける場所へ

ジェンダーフリー対応は、社会の変化に応じた“選ばれるサロン”への第一歩です。
すべての人が、偏見や不安なく、自分の「整えたい」という思いを安心して表現できる空間――それが、これからのエステ業界に求められる姿です。

美しさに性別は関係ありません。
癒しにも、心地よさにも、性の境界線はありません。

「その人らしさを尊重する」ことこそ、現代のエステの真価であると言えるでしょう。